假屋崎省吾さん
もう、十数年前になります。
私は華道を習おうと思い、
いくつか教室をさがしていました。
始めて教えて頂いたのは「草月流」です。
その先生に行け方を直されると、
ほんとに良くなるのです。
華道はバランスです。
たった3本の枝や花でも、その傾きによって、またったく異なる物となります。
私は表参道より徒歩15分と書かれてあった
「假屋崎省吾」さんの華道の教室へ行こうと思いました。
徒歩15分といえば、かなり奥の住宅街になります。
木々の中の住宅街を歩いていても、
なかなか見つからず、「ここでよいのかしら~」と
不安になってきました。
その道の先には、黒いエプロンを付けた男性スタッフらしき人を何人かみつけました。
「もしかして、ここかも・・」と、歩み進もうした時、
細い道にある椅子に腰かけている方がいらっしゃいました。
その方は私をみつけると、
まるで、花が揺れるかのように、
さりげなく、ごく自然に静かに微笑んで無言でご挨拶をなさりました。
(なんと自然にさりげなく、会釈される方だろう!)と驚きました。
それが、假屋崎省吾さんでした。
教室の中には、九州や北海道より、お花を習いに来ている人もいらっしゃいました。
その時の假屋崎省吾さんは、とってもテンションが高く、
教室を飛び回っていらっしゃいました。
あの、ゆりの花のように自然に静かに会釈をされる假屋崎省吾さんは、
とても優しい方なのだろうと思いました。
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