失われた空間
そこに参加しているもの
だれもが
その空間を大切にしていた
温かな時間(とき)が流れる空間であった
その時は雨ふりしきり
大きなガラス窓の外の
桜の枝は波を打ち揺れ動き
大きな窓ガラスには
激しい雨が打ちたたいていた
いつもであるのなら
その空間は
どのような天候にも左右されることなく
穏やかで温かな空間であり
心地よい時を過ごせた場所であった
誰もが
多少の緊張感と穏やかな時が流れる
この空間を愛し愛(いとおし)み楽しんでいた
その空間が
おそらく主催者のお心模様で変わってしまった
参加者もいくらかの人々がそれに気づいたであろう
その会が終わった時
その人々は、みな残念な顔をして帰っていった
きっと彼らは、もうここには現れることはないのであろう
それは、私もおなじこと
「さよなら」を言わずに
静かに皆が消えていった
主催者は何が起こったかを把握できないまま
参加者は減り、また、メンバーは変わってゆくであろう
「令和」の即位礼祭があり
令和初の記念すべき日に
この会は終わってしまった
「令和」は淘汰される年
今までの常識が常識でなくなる
「令和」は優しく
そして冷酷でもある時代なのであろう
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