まるで映画のような愛
「男女の愛」(または、異性ではないかもしれないけれど)
「愛」というものが、
この世に存在するという事。
映画の中では知っていても、
現実には信じがたいものでした。
もう、30年近く前の事になります。
昔イタリア・ツアーで一緒のご夫妻がいらっしやいました。
飛行機での長旅のせいか
奥様が、ご気分が悪くなられたようで、
旦那様にもたれかかり。
旦那様もとても素敵な方で、
具合の悪い奥様を静かに受け止めていらっしゃっしやいました。
それは、壁ごしに座られた英国紳士に、
薔薇のような美しい女性が心もすべてを愛する人に
ゆだねている絵のようで
そのお二人の間には愛が満ち、
だれもが入ることのできない雰囲気が漂っていました。
まるで、映画のワン・シーンのように美しい光景として
今も心の底に焼き付いています。
このような人生を送る人もいるのですね。
,愛する人と結ばれる事ができなかった私には
本当にこのお二人の光景が羨ましく、憧れの存在でした。
「愛する人と結ばれる事」が、あたかも当然のように自然なお二人でした。
私にとってそれは、求めても、得る事の出来ないもの。
『愛』。
結ばれぬことのない愛。
まだ若かった当時の私にでも、自分の運命ががなんとなくわかっていました。
人生とは、人それぞれの、さまざまな人生を送るのでしょう。
人それぞれが、それぞれのこの世での使命があるのでしょう。
このお二人の事を、今でも心よりお慕いしています。
私がどんなに、求めても求めても、届く事のない
永遠(とわ)の「愛」で繋がっているお二人でした。
旦那様が亡くなられ、星になってしまった今でも
それは、変わる事はありません。
お二人は、永遠に繋がっていらっしゃるのです。
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