12月の雨
師走に入った。
朝から静かな雨が降りしきり
歩道には、赤や黄色や茶の紅葉した落ち葉に埋もれていた。
まるで、美しい落ち葉の絨毯の上を歩くかのように
なにか優雅な気持ちがした。
こんな天気の日は
ビニール傘が好ましい。
なぜなら、
木々からまだ離れないでいる
緑色や茶色の健気な葉たちも
透明の傘から見る事ができる。
静かに降りしきる雨と紅葉との
美しいコントラスト。
晩秋にも、さよならを言う季節がやって来た。
冬に入り、この桜の大木は眠るように葉を落としてしまう。
これが、最後の見納め。
今日が静かな小雨でよかった。
この美しい落ち葉たちを
微塵に振り落とすことはないであろうから。
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